生理的変化を生じさせる「香り」

香りは、「好き嫌い」に関わらず、嗅覚に対する刺激として、大脳辺縁系に直接的に作用します。またこの作用は、その香りを意識している、いないに関わらず、生理的な変化を生じさせています。したがって、香りの効能を考え、香りが心身にどのような影響を与えているかを理解する場合、心理的主観レベルの評価だけではなく、客観的な生理測定も重要であると考えることができます。

測定の様子

研究事例の紹介 精神生理に関する香りの影響評価

この研究は、精神生理状態に関するフレグランスエッセンシャルオイルの影響を評価することを目的としています。
評価方法は、以下の二種としました。
①心理テストによる主観的評価
②測定機器(GDV、心電図)による客観的評価
また、これらの主観的評価方法と客観的評価方法の相関性、被験者の実験のバックグラウンドとなる、現在の健康状態、精神状態が、香りの影響に、どのくらい関係しているかを調査しました。

▼被験者情報
平均年齢20歳の男女18人

▼使用した精油(エッセンシャルオイル)
シナモン
ローズアルバ
ローマンカモミール
ラベンダー

▼香りの吸引方法
エッセンシャルオイルを落としたムエット(テスター紙)を2.5分吸引する

▼評価方法
①主観的評価
実験前の精神状態、健康状態を評価(心理テスト(POMS)、血圧や心拍数に関する質問、アイゼンク性格検査)

②測定機器(GDV、心電図)による客観的評価
精油の香りを嗅ぐ前後にそれぞれ測定
GDVの場合は、上記の測定に加え、香りを嗅いでいる最中にも時系列の変化を見るために測定を行った

測定結果

香りを嗅いだときの主観的な反応と、GDVの測定結果の傾向に類似性が見られた。

また、以下の点で相関関係が見られた。

・GDVの左手薬指の時系列測定による変化率(平均発光強度)と収縮期血圧の指標との相関性
・GDVと被験者の精神・情動に関する状態(POMS)との相関性
・香りの好みと現在の主観的な健康状態との相関性

GDVの可能性

GDVによって、精油の香りの影響を測定することについては、多くの実験と、より多くのデータを基に、内容を検証して行く必要があります。特に、香りの影響を測定する場合、嗅覚の特性を考慮にした実験モデルの構築が重要となります。
GDVの測定方法が確立することは、選択の幅が広い精油から、より自分に適した精油を選定することができるようになり、テーラーメイドアロマの実現の可能性が期待できます。GDV機器はサイズが小さく、簡単に測定できるという利便性もあり、既に、その試みとして、AVEDAコーポレーションは、アロマスパで使用するプログラムを研究開発しています。
精油の香りは、私たちの生活を豊かにする大きな可能性を持っており、より実用性の高い分野への応用も考えることができます。例として、ストレスマネージメント、睡眠障害の改善、予防医学などが挙げられます。弊社は、国内外の研究機関、専門家と協力して、GDV技術による、その可能性を探究していきたいと考えています。

参考文献

▼タイトル
Influence of the Fragrant Essential Oils’ on Psychophysiological State of an Individual
▼著者名
KONSTANTIN KOROTKOV, Ph.D.,PETER MATRAVERS Ph.D.,MOMMOH KENNET
▼所属
State Technical University of Information Technologies, Mechanics and Optics, Saint-Petersburg, Russia.
AVEDA Corporation, USA
▼出典